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書院の扁額が出来上がりました。


宮本工藝 宮本我休さま誠に有難うございます。

書院の前に広がる庭の名前が「帯流庭」と言います。帯の様にしなやかな流れの渓流が、やがて大きな流れとなる様をイメージして作られた庭であり、その借景を望む谷間に佇む書院であることから「帯谷庵」と命名させていただきました。

庵には仏様を祀る場所という意味合いがございますので、書院ではありますがお寺の書院でありますし、十全にそこにあるという想いから軒とか亭ではなく庵を号させていただきました。

堅い欅の根の部分から切り出された板であり、本来仏師さんが用いる鑿は2寸減るのに10年くらいかかるらしいのですが、この扁額を仕上げるのにそれだけ鑿をすり減らされたそうです。また普段、膠(にかわ)を用いて字の色を乗せるのですが、膠を用いると動物性の原料であることから虫が喰いやすいため、漆を塗って、そこに粉末の色を乗せられました。更にとても頑丈な木に一生ものの扁額を作成するため、彫りも通常よりもはるかに深く彫られました。

この扁額にかける宮本さまの想い、養徳院と共に一生涯残る扁額をという仏師さんの想いに強く心を打たれました。我々寺院に住する僧侶は多くの職人技、伝統の技の塊に座して日々を生きています。この素晴らしき技術の隅々を知っていただく為、発信することもまた我々僧侶の使命であると深く感じ入った今日この頃です。



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